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2020.12.17
ニュース

つくば市でのネット投票実証に成功~デジタルIDアプリ「xID」による個人認証でスマホ投票が可能に


 株式会社VOTE FOR(東京都港区、代表取締役社長 市ノ澤充、以下「VOTE FOR」)は、個人認証にデジタルIDアプリ「xID」を使用したネット投票システムをつくば市(五十嵐立青 市長)に提供し、実証実験に成功しましたのでご報告いたします。

実証実験の概要

 VOTE FORは、xID株式会社(東京都千代田区、代表取締役 日下光)と協力し、マイナンバーカードとの連携で手軽に個人認証ができる「xID」を使用したネット投票システムを開発いたしました。

 本システムは、2020年9月25日につくば市が開催した「令和2年度つくば Society 5.0 社会実装トライアル支援事業」を選出するコンテストの最終審査、および9月18日より受け付けた期日前投票と合わせて8日間に渡り使用されました。

 なお、投票実施前の9月16日に開催した記者会見では、つくば市役所にて本システムの概要説明並びに五十嵐市長による投票デモを実施いたしました。

(左から)xIDの日下社長、五十嵐つくば市長、VOTE FORの村尾取締役

(左から)xID代表取締役の日下社長、五十嵐つくば市長、VOTE FOR取締役の村尾

五十嵐市長による投票のデモ

五十嵐市長による投票のデモ

デジタルIDアプリ「xID」 概要

 「xID」は、マイナンバーカードと連携することで、より手軽に本人認証ができるデジタルIDアプリです。ユーザー1人につき、重複のないユニークなIDが発行可能で、2020年8月時点においてユーザーの同一性・本人性を担保できる、日本国内唯一のデジタルIDアプリです。

投票の流れ

  1. iOSまたはAndroidのアプリストアにて「xID」をダウンロードし、初期設定を行う。
    ※マイナンバーカード連携は同アプリ側で設定することで、公的個人認証と同レベルの認証が可能となります。これにより、投票時のマイナンバーカード認証は不要です。
  2. 特設ページにアクセスし、「xID」に設定したメールアドレスを入力する。
  3. 「xID」を起動し、コード認証を行う。
  4. 投票画面で事業提案を選択して投票する(一人一票、同一IDより再投票が可能)。
投票の流れ 概要

投票の流れ 概要

3か年の実証のポイント

 
投票時の本人認証方法
投票場所
課題
2018(平成30)年度
マイナンバーカードの電子証明書の署名用パスワード(英数字6~16桁)を利用。
市庁舎に設置された投票所のみ。
・署名用パスワードの認識率の低さにより、投票前の離脱が発生した。
・投票場所と時間が限定された。
2019(令和元)年度
数字4桁の利用者証明用パスワードを利用。マイナンバーカードに内蔵しているICチップ内の本人画像情報と、同カードを持参した本人を撮影した画像を照合する顔認証技術を採用。
ICカードリーダーに接続可能でwebカメラを備えたWindows端末がある場所。
・端末設定に手間がかかるうえ、ICカードリーダーが必要なため、投票数は伸び悩んだ。
2020(令和2)年度
マイナンバーカードと連携可能なデジタルIDアプリ「xID」による個人認証を採用。
個人が所持しているPC・スマートフォン
※スマートフォンは必須
・デジタルIDアプリと投票用ページの連携・画面遷移をより円滑に行う必要がある。

本システムで実証したこと

1.先進的認証方法を採用し、スマートフォン投票とすることで投票数の向上を図る
~投票数は前年度の2倍以上に~

 本年度は、マイナンバーカードと連携できるデジタルIDアプリ「xID」を用いて、個人認証を行うことで、スマートフォンから投票ができ、利用者の負担を軽減することができた結果、投票数が354票(前年度:150票/前々年度:119票)と大幅増となりました。

2.スマートフォン投票を可能とし「いつでもどこからでも投票できる」ことを実現
~国内だけでなく、海外からの投票も~

 本年度は、スマートフォンからの投票を可能としたことで、カードリーダー等の制約を受けず、場所・時間に囚われない投票が可能となり、結果としてアメリカ合衆国在住の方からの投票も確認され、「いつでもどこからでも投票できる」ことを実証しました。

3.マイナンバーカードを活用したインターネット投票の将来像
~投票の利便性向上だけでなく、行政の窓口業務への活用にも期待~

 本年度は、マイナンバーカードと連携できるデジタルIDアプリ「xID」を個人認証基盤として活用し、上記問題の解決を図りました。具体的には、「一度、xIDでマイナンバーカードの署名用電子証明書と連携すると、独自のIDとスマートフォンの顔認証等により、ユーザーフレンドリーに厳正な個人認証ができる」というxIDの特性を活かし、スマートフォン単体での厳正な個人認証を行いつつ、投票はスムーズになるよう設計しました。

 結果としては、「xID」のポイントである、一度マイナンバーカード認証を行った場合の利便性を体感できるのが再投票時のみとなりましたが、スマートフォンで厳正に個人認証ができることで、行政の窓口業務の電子化等で活用が大いに見込まれることが実証できました。

 また、投票システム自体には個人情報を保持せず、本人だけが「自分がどの候補に投票しているか」をいつでも確認できるということも実証でき、今までのブロックチェーンによる投票結果の保管方法以外のアプローチで、投票の秘密の担保と透明性の担保を図るという道筋をつけることができました。

最終審査結果

 最終審査では、一次審査を通過した9件の提案のうち、5件の優れた提案が採択されました。また、ネット投票の結果は、もう一人の審査委員として、審査に加点※され、特別賞(インターネット投票賞)が授与されました。
※加点される投票は、本人認証にマイナンバーカードを使用したもののみ

今回の実証の結果

総括と今後の展望

 今回のネット投票システムでは、「先進的認証方法を採用し、スマートフォン投票とすることで投票数の向上が見込まれるかの検証」「スマートフォン投票を可能とし『いつでもどこからでも投票できる』ことの実現」「マイナンバーカードの新たな活用方法の検証」を新たに実証することに成功しました。

 過去2年間と併せ、3年間で培った知見を基に、今後のインターネット投票、住民投票や国政選挙、地方選挙でのネット投票の実現を目指してまいります。

株式会社VOTE FOR 概要

 誰もが主体的に政治に参加できる社会を目指し、公職選挙におけるインターネット投票の研究・推進に取り組んでいます。2018年にはマイナンバーカードとブロックチェーンを用いた投票システム、2019年には顔認証システムと連携した投票システムを構築しています。
URL:https://votefor.co.jp/

xID株式会社 概要

 xID株式会社は、「信用コストの低いデジタル社会を実現する」をミッションに掲げ、マイナンバーカードを活用したデジタルIDソリューションを中心に、次世代の事業モデルをパートナーと共に創出するGovTech企業。デジタルID先進国のエストニアで培った知見・経験をもとに、情報の透明性を担保し、データ・個人・企業・政府の信頼性が高い社会を、デジタルIDを通して創出していくことを目指しています。

 今年4月に開発した「xIDアプリ」は、マイナンバーカードと連携することで、より手軽に本人認証ができるデジタルIDアプリ。自治体や民間企業向けに「xID API」を提供しており、本人確認やログイン・電子署名の仕組みを自社で構築することなく、手軽に導入することを可能にしています。
URL:https://xid.inc/

本件に関するお問い合わせ先

株式会社VOTE FOR

TEL:03-5549-1740

MAIL:info@votefor.co.jp

報道関係者様お問い合わせ先

パイプドHD株式会社 https://www.pipedohd.com/

コーポレート・コミュニケーション部:久保、宮古

TEL:03-6744-8039

FAX:03-3585-0620

E-mail: pr@pipedohd.com

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